阿蘇のジオサイト紹介

28.俵山峠カルデラジオサイト

俵山峠カルデラジオサイト

南側から世界有数の規模のカルデラを実感する

 東西18km、南北が25kmと、世界でも有数の規模を誇る阿蘇カルデラ内には、約5万人の人々が火山と共に生活しています。カルデラ周辺には人々の手により、千年以上に及ぶとされる採草と野焼きによって維持されている広大な草原が広がっています。さらに、カルデラの内側には、中央火口丘群として、海抜高度1,000~1,600mに多様な火山体が見られ、その中央には現在も活動を続けている中岳の火口を見ることができます。カルデラとその周辺の景観は、その形の美しさに加えて、人々の生活が築き上げた牧歌的風景と相まって、国内はもとより世界的にみても、きわめてすばらしい火山景観を形成しているといっても過言ではないでしょう。

 カルデラ全体を観察できる代表的なジオサイトとして、「大観峰」と並んであげられるのが「俵山展望所」です。俵山展望所は、カルデラ西方のカルデラ縁にあり、西側からのカルデラのほぼ全体を望むことができるジオサイトです。特に、ここからは、阿蘇五岳はもちろん、外輪山北半部のなだらかな地形と違って、凹凸に富む南側のカルデラ縁の地形的な特徴を見ることができるのが特徴です。

関連ジオポイント
阿蘇カルデラ

阿蘇カルデラ

阿蘇カルデラ阿蘇カルデラは、今から約27万年~9万年前の大規模な火砕流噴火に伴って形成されまし た。世界でも有数の規模を誇り、明瞭な陥没地形を見ることができるのが特徴です。

俵山展望所

俵山展望所

南阿蘇の全景を見ることのできる優れたジオポイント。2003年に俵山にトンネルが開通したため、山頂に近い展望所まで車で上ってくる人は少なくなりましたが、それ以前は南側からの阿蘇へのアプローチには欠かすことのできないルートでした。1985年の植樹祭では、昭和天皇もここから阿蘇を展望されました。