阿蘇のジオサイト紹介

14.阿蘇黄土ジオサイト

阿蘇黄土ジオサイト

文化、環境への多大な火山の恵み

 火山によって形成された鉱床が、古くから人々によって活用されてきたことを知ることができるジオサイト。「阿蘇黄土」は別名を「リモナイト」といい、現代社会においても多くの製品に加工されて、私達の生活の一部となっています。「褐鉄鉱」や「湖沼鉄」と呼ばれることもあり、その成分の約7割が鉄成分の黄土色の土です。

 周辺の古墳から大量のベンガラが出土したことから、古代の人々が阿蘇黄土を焼いたベンガラを利用していたと考えられています。また、古い時代にはベンガラを「丹」と呼び、中国では「不老不死の秘薬」として珍重していたといわれています。魏志倭人伝の中には、邪馬台国の女王卑弥呼から魏へ贈られた献上品に、呪術の儀式や日常の装飾などに幅広く用いられていた「丹」が名を連ねている記録が、今も残っています。

阿蘇黄土

 阿蘇谷の中央部付近から西側にかけての地区(沖積地)に、"阿蘇黄土"と呼ばれる鉄分が集積した湖成層が分布しています。鉄鉱石やベンガラの原料として、また、脱硫剤や家畜のエサとしても利用されています。