阿蘇のジオサイト紹介

11.火山の神ジオサイト

火山の神ジオサイト

火山をベースにした阿蘇文化の根源を探る

 阿蘇市一の宮町宮地に鎮座する阿蘇神社を中心に、国造神社や、阿蘇家の豪族が葬られていると伝えられる中通古墳群などがあるジオサイト。阿蘇神社は、阿蘇開拓の祖神と伝えられる、一宮の健磐龍命(たけいわたつのみこと)を筆頭に、阿蘇十二神が祀られています。今に伝わる阿蘇神社の神事は「阿蘇の農耕祭事」として、国の重要無形民俗文化財に指定されています。

 ほかにも、健磐龍命に斬り殺されたという鬼八をまつった霜宮神社もあり、阿蘇に残る数多くの神話との関わりが非常に強いジオサイトが多数あるのが特徴です。

阿蘇神社

 全国に500社以上の奉祭社を持つ。一の神殿・二の神殿・三の神殿・楼門・神幸門・還御門の6棟は、国の重要文化財。社殿は、総ケヤキの白木造り独特の阿蘇式と呼ばれる様式で、他には例がありません。また、楼門は珍しい二層式で、日本三大楼門の一つに数えられます。その高さは約21m。細部には様々な彫刻が施されており、社殿楼門とともに壮大で美しい楼門です。ロープウェーがある阿蘇山上広場にも「阿蘇山上神社」があります。

関連ジオポイント
国造神社

国造神社

崇神(すじん)天皇18年の創建で、阿蘇神社から約6kmの北方に位置し、北宮ともいわれています。健磐龍命の第一子、国造速瓶玉命(はやみかたまのみこと)をはじめ、四神をまつる由緒ある神社です。神事は阿蘇神社と同様に「阿蘇の農耕祭事」として国の重要無形民俗文化財に指定されており、神殿と拝殿は市の有形文化財に指定されています。境内には、元国指定天然記念物の「手野の大杉」が保存されています。この大杉は、幹の回りが11m、高さ48m、約1,300年もの間、阿蘇の歴史を見て生きてきました。しかし、1991年9月27日、台風19号に見舞われて、地上11mの所あたりから折れてしまいました。

中通古墳群

中通古墳群

阿蘇谷北東部、黒川とその支流である東岳川の合流地点付近の水田地帯に点在する阿蘇地方屈指の古墳群。5世紀前半~中ごろに築造されたと考えられている前方後円墳は古墳など、12基の古墳が見られます。

上御倉・下御倉古墳

上御倉・下御倉古墳

一の宮地区の国造神社に接して存在する古墳。上御倉古墳は直径約33m、高さ5.3m、下御倉古墳は直径約30m、高さ4.5mのともに円墳です。いずれも大きな切り右で組み立てられた横穴式石室を持っており、当時の豪族の墓だと考えられています。

霜神社(霜宮)

霜神社(霜宮)

天津神・天の七星・霜神・鬼八天をまつる神社。農作物に霜の害が発生しないよう、幼い火焚乙女が火焚殿で、8月19日~10月18日の59日間にわたって火を燃やし続ける「火焚き神事」で知られています。神事は国の重要無形民俗文化財に指定されています。